境界性パーソナリティ障害とは

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境界性パーソナリティ障害はパーソナリティ障害の一つです。 ボーダーライン、またはスラング的にボーダーと呼ばれています。

特徴

常に不安定な精神状態

境界性パーソナリティ障害の方は常に不安定な精神状態にあり、 自分が自分でないような状態にあります。人間関係に関しても根底には人間不信があり、多くの方と良好な関係を築けません。一方で特定の人に対しては極端に依存してしまうこともあります。

0か1の思考

境界性パーソナリティ障害の方は物事を0か1かで考えてしまうことが多くいです。これを二極思考と呼びます。

例えば、友人に対して最高のパートナーと思うときもあれば、少し意見の違いがあっただけで信用できない最悪の人と思うこともあります。

または、学業や仕事で上手くできたことがあると自分にはなんでもできると舞い上がりますが、ほんのちょっと失敗するだけで自分は死んだ方がましだ、などと思ってしまいます。

気分障害の併発が多い

双極性パーソナリティ障害ではうつ病、双極性障害(そううつ病)、解離性障害など様々な気分障害が併発しやすいことが知られています。

ある研究によると、うつ病は50%の方、双極性障害は30%の方、解離性障害は73%の方が併発しているようです。

精神疾患は診断が難しいため、境界性パーソナリティ障害ではなくこれらの疾患として診断されることもあります。

診断基準

以下の9つのうち、5つ以上を満たすと境界性パーソナリティ障害と診断されます。

  • 現実か妄想かに限らず、見捨てられることを避けるためになりふり構わず行動する
    ※自殺行為、自傷行為は含まない
  • 不安定で激しい人間関係を持ち、相手を理想的な人物と思いたがる一方でこき下ろすような評価をする
  • 持続的に不安定な自己像を持つ
  • 自分に害を与える可能性がある衝動的な行動を持つ
  • 自傷行為、自殺のそぶりを繰り返し行う
  • 気分が2~3時間程度で急激に変わる
  • 持続的な空虚感を持つ
  • 不適切な強い怒りを持つ、または怒りのコントロールができない
  • ストレスにより一時的な妄想性思考をしたり重度の解離症状を引き起こしたりする。

分類

反社会性・演技性・自己愛性と同じく「劇場型」のパーソナリティ障害に分類されます。
それぞれのタイプとの違いは下記のとおりです。

  • 自己愛性と比べて自己評価が低く対人関係が不安定
  • 演技性と比べて精神的に不安定で自己破壊行為が多い
  • 反社会性に比べて反社会的な行動に対する不安化が強い

割合

境界性パーソナリティ障害は2~5%程度の人に発症します。女性の方が2~3倍程度多いとされています。

原因

パーソナリティ障害は親との関係が悪く愛着の形成に問題があるとされています。親や身近な知り合いから暴力や性的虐待などの被害を受けている方も少なくありません。

境界性パーソナリティ障害の方は親から十分な愛情を受けられなかったことや関わる時間を十分に取れなかったことで、強い自己否定感を抱いたり愛情飢餓に陥ったりしたでしょう。その子供時代の感情を成長したのちも捨て去ることができず、様々な症状が表れています。

接し方

境界性パーソナリティ障害の方は不安感が非常に強く、見捨てられてしまう恐怖を常に持っています。

もしあなたが彼らを助けてあげたいと思って全力でサポートしようとしても、次第に気持ちが萎えてしまい、初めと同じようには接することができなくなるでしょう。

あなたが彼らの浮き沈みの激しい感情に同調してしまうと、あなたが疲弊してしまうばかりでなく、あなたが少しでも彼らのことを気遣えなくなった時に彼らの不安感をあおってしまうことになります。そのため、彼らのペースに乗せられることなく、一定の対応を長時間続けることが望ましいです。

治し方

境界性パーソナリティの方は孤独であることに不安を覚えるため、恋人や親友に強く執着することがあるでしょう。
もしかしたらその人は親身になってくれるため何でも話してしまい、親切に対応してくれるかもしれません。

しかし、それは行き過ぎると依存を強めるだけの行為になってしまいます。依存が続くことは双方にとって望ましくありません。あらかじめこの人にはここまでは頼るけどそれ以上は頼らない、というラインを二人で話し合っておくとよいでしょう。

また、それができるようなマイペースなパートナーを選ぶということも大事です。境界性パーソナリティ障害の方と関わって疲弊する方は決して少なくありません。

さいごに

境界性パーソナリティ障害は他のパーソナリティ障害と比べて生きづらさを強く感じている疾患です。

しかしその分研究も盛んにおこなわれています。ウィキペディアを見るだけでもほかのパーソナリティ障害に比べて異様に分量が多く、意思を含めて関心を持つ人が多いことがうかがえます。

境界性パーソナリティ障害は4年で50%の方、6年で70%の方が改善します。決して治療が容易な疾患ではありませんが、障害の度合いは必ず軽くなっていきます。

他の精神疾患の治療法が境界性パーソナリティ障害の治療に役立つこともあるため、各疾患に関して調べておくと理解が深まると思います。

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