強迫性パーソナリティ障害とは

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 強迫性パーソナリティ障害はパーソナリティ障害の一つです。強迫性障害とは異なる疾患です。

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特徴

強迫的な完璧主義

 強迫性パーソナリティ障害の方は自分で決めたルールに過度にとらわれており、柔軟性のない頑固な性質をしています。
 そしてその頑固な性格ゆえに完璧主義のようにものごとに取り組んでしまい、取り組んでいること以外のことを無視してでも完全性を求めてしまいます。

自分に苦行を強要する努力家

 基本的に努力家であり、自分の努力がすべてだと思い込んでいます。そのため無理をしてでもものごとを完璧にこなそうとします。
 まるで修行のように自分を追い込むような人生を送っており、楽しむためではなく義務として人生を過ごしています。

堅苦しい対人関係

 感情表現の方法が堅苦しく、形式的でまじめな人付き合いをします。感情的な表現が苦手で論理的な会話を好みます。過度に道徳や倫理に価値を置き、権威を尊重します。
 また、友人や遊びよりも仕事を優先してしまい、なかなか休みをとることをしません。

診断基準

 以下の8つのうち、5つ以上を満たすと強迫性パーソナリティ障害と診断されます。

  • 細部、規則、スケジュール、順序、構成にとらわれる
  • 課題の達成の妨害になるのに、ものごとを完璧にこなそうと努力する
  • 娯楽や友人関係を犠牲にしてでも仕事に注力する
  • 道徳、論理、ある事柄への価値観に対して過度に誠実、潔癖で柔軟性がない
  • 思い入れのないものであっても使い古されたものや不要なものを捨てようとしない
  • 他人が自分の思い通りに動かない限り、他者に仕事を任せたり一緒に仕事をすることができない
  • 金は将来の備えとしてとっておくべきと考え、自分のためにも他人のためにもけちな使い方をする
  • 堅苦しい、柔軟性がない、頑固

分類

 回避性、依存性と同じく不安型のパーソナリティ障害に分類されます。

類似の疾患

強迫症との違い

 強迫症の方には不安からくる強迫観念や強迫行為を持ちます。それらは自分自身でコントロールできない行動であり、苦痛を伴うこともあります。それに対して強迫性パーソナリティ障害の方はルールを守るという意志を持って行動しています。

回避性パーソナリティ障害、シゾイドパーソナリティ障害との違い

 回避性パーソナリティ障害やシゾイドパーソナリティ障害と同様に、対人関係において孤立することがあります。
 回避性やシゾイドの方が不安や無関心から孤立するのに対し、強迫性の方は自分の完璧主義の邪魔になるという考えのもとに他人を信用せずに孤立します。

アスペルガー症候群との違い

 アスペルガー症候群は先天性の病気であり、強迫性パーソナリティ障害は後天性です。アスペルガー症候群は場の空気が読めなかったり、物事の意欲・関心に著しい偏りがあったりします。

割合

 人口の約2%の方が発症しているとされ、男性に多いといわれています。

原因

 子供のときに過度に親から干渉され、支配的な教育を受けたことが、強迫性パーソナリティ障害の可能性になっている可能性があります。失敗することを恐れ、他人を頼ることができないようになります。

接し方

 強迫性パーソナリティ障害の方はこだわりがある点に関して全く融通が利きません。それをなんとかして変えようとしても難しいでしょう。その人のやり方に合わせて共存していくことが望ましいです。

 このタイプの方は自分の流儀を守ることを他人にも求めてしまいます。放っておくと彼らの流儀を守る事柄が際限なく広がってしまいます。そのため、あなたの役割はここまでです、というように責任を持つ範囲を決めておくとよいでしょう。仕事でも日常でもこの考えが役に立ちます。

治し方

 他人が自分の想定通りに動く、または他人は自分と同じ考えをしていると思ってしまうところがあります。

 自分と他人の違いを洗い出し、相手の考えのいいところや自分の考えのいいところをリストアップしていくと他人の考え方を知るとよいでしょう。性格診断ツールがインターネット上に多くあるので、他人になりきって性格診断を行うことで相手のことを理解できたり、新しい考え方が見えてきたりすると思います。

 また、失敗することを計画の破綻だと思い込んでしまっています。強迫性パーソナリティ障害の人はすべての結果は自分の努力にかかっていると思い込んでいます。

 それは強い責任感からくるものですが、実際には複数人が関わっていることや予期せぬトラブル、ヒューマンエラーなどがあり、思い通りに物事が進むことはありません。本人の努力ではコントロールできないことはいくらでもあります。そのため、失敗することも計画の一部であり、大した損害ではないと考えるように工夫するとよいでしょう。

さいごに

 強迫性パーソナリティ障害の方は努力を怠らないという長所を持っています。周囲にルールを強要しなかったり、過度な努力を抑えたりすることができれば責任感の強い立派な努力家になることができます。

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