パーソナリティ障害の分類

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パーソナリティ障害とは偏った考え方や行動パターンのために家庭や社会生活に支障をきたしている状態のことです。
先天性の脳障害である発達障害や乳幼児期の親との関係から生まれる愛着障害などが原因となることも多く、新たな現代病といっても過言ではないでしょう。

ただし、専門家でさえ十分な認識をしているとは言い難く、「性格の問題だから」と言って診療をしてもらえないことも多いようです。パーソナリティ障害は単なる性格にとどまらず自分や周囲を苦しめることになってしまうため、本人と周囲の方の双方で理解することが重要です。

パーソナリティ障害の種類

パーソナリティ障害と一言で言っても実に多彩な種類があります。最新の分類基準DSM-Vでは10種類に分類されています。

※尚、別の分類基準であるICD-10では20種類くらいに分類されています。また、後継のICD-11が2018年6月に英語で公表されており、パーソナリティ障害の分類方法も変わっています。 ICD-11は現在日本語化の最中で、2021年頃に施行される予定です。

以下にDSM-Vの分類を記載します。

猜疑性/妄想性パーソナリティ障害

他人の行動は悪意があるものだと解釈してしまう特徴があります。他者は自分を利用したりだましたりすると信じてしまいます。

統合失調型パーソナリティ障害

風変わりな思想や行動を特徴とします 。常識を超越したところがあり変人扱いされることがあります。浮世離れしている、あるいは電波な人、といって良いでしょうか。

反社会性パーソナリティ障害

共感性がなく他人の権利を無視する特徴があります。他人を害することを厭いません。サイコパスやソシオパスはここに分類されます。

シゾイド/スキゾイドパーソナリティ障害

社会的な関係から離れたり、人に対して感情を表さないことを特徴とします。回避性や自己愛性のパーソナリティと異なり、本質的に一人でいることを好みます。

演技性パーソナリティ障害

過度な情緒性を持っていたり人の注意を引こうとすることを特徴とします。人の注意を引くためなら自分と乏しめることや傷付けることもしてしまいます。

境界性パーソナリティ障害

感情、自己像、対人関係が不安定であり、衝動をコントロールできない特徴があります。ヒステリーを起こすことがあり、スラングでいうところのボーダー、メンヘラが相当するでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害

誇大性、称賛されたいという欲求、共感の欠如を特徴とします。プライドが高い、ナルシスト、といってよいでしょう。

回避性パーソナリティ障害

失敗や傷つくことを極度に怖れる特徴があります。どうせ自分はダメだ、と思い込みチャレンジ精神が全くない人が当てはまります。

依存性パーソナリティ障害

面倒を見てもらいという過剰な欲求をもつ特徴があります。主体性がなく赤ん坊のように何から何まで人に頼ってしまう人や、過剰なまでに他人の世話をしてしまう人が含まれます。

強迫性パーソナリティ障害

完璧主義であり、柔軟性や効率性が失われてしまう特徴があります。仕事はできるけど石頭、というような人があてはまるでしょう。

パーソナリティ障害の共通点

パーソナリティ障害を持つ人は周りから精神的に幼いようにみえています。逆に言うと幼いほどの精神的な未熟さが生活に障害をもたらしているといってよいでしょう。

パーソナリティ障害は幼いころに自分自身に対して抱いたイメージを変えることができず、周囲の環境に対応することができない、という状態になっています。幼少期に学習した生存戦略として偏った考え方を身に着けています。

また、パーソナリティ障害を持つ人はとても傷つきやすく、強い自己否定感を持っていたり、逆に傷つきやすさを隠すために過剰な自己愛をもっていたりします。自己愛とは自分を大切にする能力のことです。パーソナリティ障害の10種のタイプとは自己愛を守る手段の違いということができます。

パーソナリティ障害は遺伝するのか

親がパーソナリティ障害であると子供もパーソナリティ障害になる傾向にあります。遺伝的な影響も5割ほどありますが、親の教育などの環境要因も含まれるため、親の傾向を引き継ぐ可能性はもっと高くなります。パーソナリティ障害は親子間で伝染すると言ってよいでしょう。

パーソナリティ障害は10%くらいの方が患っていると言われています。近年増えた理由にはパーソナリティ障害の認識率の増加の他にも、個人主義の社会になったという背景もあります。

最後に

パーソナリティとはその人の人格、性質を表すのものでありそう簡単に変えることはできません。そのパーソナリティは社会生活に障害をもたらすほどの悪影響もあれば、その人の個性的な特徴やメリットになることもあります。

若いころはパーソナリティ障害に苦しんだ方も、歳を重ねるにつれて落ち着いていくことが多いです。現在パーソナリティ障害で苦しんでいる方も必ず精神的に楽になる時期が訪れます。まずは自分や周囲のパーソナリティを理解して、良い点・悪い点を認めてあげることが重要だと思います。

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