妄想性パーソナリティ障害とは

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 妄想性パーソナリティ障害はパーソナリティ障害の一つです。狂信的にものごとを信じてしまったり、悪質なストーカーになったりします。

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特徴

人を心から信じることができない

 親密な関係を築こうとしても常に裏切られるのではないかという思いがあり、心が休まる関係になりません。常に相手のことを監視したり支配したいという気持ちがあります。

 結婚相手や恋人に対しても根拠の薄い思い込みによって不当な疑いを抱きます。パートナーが外出したり、異性または同性の友人と出会うことさえ嫌い、時には家庭内暴力の一因になります。

ストーカーになりやすい

 孤独で傷つきやすく、優しさや愛情を示すものに対してもとても警戒的で心を中々開きません。その一方で一度心を開き始めると相手の存在を特別なものと思い始めます。それが恋愛的な妄想になると逆恨みをする羽目になったりストーカーになったりします。

頑固だけど波がある

 頑固であり冗談が通じにくく些細なことでも攻撃されていると感じてしまいます。また、気分に波があり高揚して行動的になる時期と意気消沈して反省的になる時期があります。

診断基準

以下の7つのうち、4つ以上を満たすと妄想性パーソナリティ障害と診断されます。

  • 十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する、危害を加える、または騙すという疑いを持つ
  • 友人や仲間の誠実さ、信頼を不当に疑い、それに心を奪われている
  • 情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けない
  • 悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると読む
  • 恨みを抱き続ける。侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない
  • 自分の性格または評判に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒って反応する、または逆襲する
  • 配偶者または性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない疑念を持つ

分類

 シゾイド、統合失調型と同じく「奇異型」のパーソナリティ障害に分類されます。
 それぞれのタイプとの違いは下記のとおりです。

  • シゾイドが無関心であるのに対し、妄想性は不信が特徴です。
  • 統合失調型は風変わりな考え、発話、行動を特徴とします。

割合

 妄想性パーソナリティ障害は2%程度の人に発症します。

原因

 父親に愛されなかった、あるいは父親を恐れていたためと考えられます。父性に対するコンプレックスを持っており、言い換えると父親、または権力と敵対しようとする気持ちを持っています。

 また、対人関係に大きく影響する出来事を人生のどこかで体験しています。それにより他人を恐ろしいもの、信用できないものと感じて正常な関係性を築くことができなくなっています。

接し方

 みだりに親しくしないことが重要です。心を許したそぶりを見せると妄想性パーソナリティ障害を持つ方のエネルギッシュな性格に押されてしまいます。特に出会ったばかりの時は比較的、妄想性の人は心を許しがちになります。つい隙を作ってしまうと強く頼られてしまい、いつかその反動でおおこいなしっぺ返しを食らうことがあります。

 深い感情移入は避けながらも、相手を諭したり、戦おうとすることをしないようにしましょう。できる限り中立的な立場を保ち続けることが大切です。

 このタイプの人は相手を支配しようとする傾向があります。そのため相手のゆさぶりに動じないような毅然とした態度で対応するようにしましょう。

治し方

 支配しようとしないで相手の気持ちを尊重することが重要です。つい相手と戦うような行動をしてしまうかもしれませんが、度が過ぎる行為は自分や相手の健康や精神を傷つけてしまいます。

 他人の行動の裏まで読み取ろうとすることは長所にもなりうるので、それを強みとして周囲の信頼を得ることも大切です。

さいごに

 妄想性の人は独裁者、経営者、管理職、宗教の教祖などのトップ層に多く見られます。他人はこのタイプの人と関わりたくないと思う一方で、戦略的な交渉、対人操作が得意であることもあります。友人としての関係は難しいかもしれませんが、参謀としては立派な人物になるかも知れません。

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